スケッチブックにそっと閉じ込めて
もう気のすむまで眺めていたよ
遠くかすかにけぶる木々の声や
言葉と波動の間に
揺れる風とともに
思い付くままに 色を選んで
ぺんを走らせて
今夜 恐竜の絵を描いた
歩き出した巨大な影の背に乗って
私は何を踏み潰したのだろう
ケモノにも鳥にもなれなかったあなた
空を見上げ吼えてみせてよ
この大きな澄みきった目を
この長い爪を
受け止めてくれる
国や街なんか何処にも無いけど
この舗道の途切れた所から行こう
どこまでも
歩き出した巨大な影を見上げて
私は今何の歌を歌おう
太古の森に倒れたあなたは
行く当ても無くビルに登る
歩き出した巨大な影の背に乗って
私は何を知りたいのだろう
ケモノにも鳥にもなれなかったあなた
空を見上げ吼えて見せてよ
空を見上げ吼えて見せてよ
スケッチブックを閉じた夜に