この頃 近くなった 気がする
父と母の 置いてきた町が
生まれた場所 大切だけど
そう ふるさとは 他にもあった
小さい頃は いつも 聞いてた
父の話す あの町のことを
ごめんね あまり 憶えてなくて
目に浮かぶのは 笑って 話す姿
* 寂しくてはなかった?
ふるさと そのままで
帰りたくはなかった?
それから 離れたきり
ふたりは 出逢い 町を逃げ出す
どんな理由か 人から聞いた
強がりだった 母親からは
ふるさとのこと 一度も聞かなかった
坂道多く 海はすぐそば
異国のひと すれ違うところ
暮らせないけど 私の町が
もうひとつあると 嬉しく思うのです
どの道を歩けば 出会えるその頃の
誰からも聞けない ふたりの心の中に