寝ぼけまなこで 歯をみがき
着替えをすませたら
寝ぐせ直して 足早に家を出る
サビれた自転車で 朝の風 吸いこみ
いつものバスに揺られ
巨大なビル建ち並ぶ間で
今日もどうにか
凛として立っています
それでも時々 あなたを想い
涙流しても かまいませんか
そして明日はまた 渦巻く街に
飛び乗り 私は生きてゆきます
私の右手が
あなたの左手の感触を
忘れられずに 度々
想い出してる
サビれた自転車で 夜の登り道
家路を急ぐ途中
ふと立ち止まって 白い息をひとつ
か細い声で あなたを呼んでみる
こうして時々 一番星を見上げ
瞳を濡らしています
寒空の下 あなたがくれた
やさしさは胸に 染みこみます
サビれてしまっても こわれてしまっても
あなたにもらった 宝物です
何度も何度も 手直しをして
いつもそばにいた 赤い自転車
それでもいつかは お別れしなきゃ
あたらしい誰かを 愛するため
見知らぬ駅に 置き去りのまま
せつなさこらえて 去ってゆきます