体中のアザは抵抗の証 彼女の純白守り抜くため
郷親という名の獣の手が すべてを奪った夜
僕らは弱く あまりに弱く 粉々に砕けた
それでも僕ら逃げ場もなくて 手を取り合って眠った
夜が来るたび屈辱の中 天井のシミを数える彼女
「きっと そのうち慣れるから」と 力無く微笑んだ
僕らは弱く 大切なもの 何一つ守れず
打ちのめされて 奪われ続け 抜け殻になってゆく
ポケットに隠したナイフは もうすぐその使命を果たし
1つの命を奪うだろう
彼女の上にまたがる闇を 切り裂いて光を
となりで眠る彼女の寝息 聴ける最後の夜
彼女が生きる未来よ どうか穏やかなものであれ
朝の気配が近づいてくる 僕は静かに床を抜け出す
くらい廊下は少しきしんだ やがてすべてが終わる